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チューダー ハロッズ ブラックベイはもはやロンドン限定モデル。

チューダーコレクターにとってエキサイティングなお知らせが飛び込んできた。ハロッズのチューダー ブラックベイ スペシャルエディションがロンドン限定ではなくなり、オンラインで購入できるようになったのだ。もともと2017年に発売されたRef.M79230G-001は、チューダースーパーコピー時計41mm径のスティール製ブラックベイに、ゴールドがあしらわれた文字盤と温かみのあるグリーンベゼルを備えたもので、イギリス・ロンドンにあるハロッズのフラッグシップストアでのみ購入可能だった。

ハロッズ ブラックベイは依然として高級小売店限定モデルだが、イギリスのみでの販売は終了したようだ。同モデルは市場での入手が限られていたため、チュードライト(チューダーファン)のあいだではコレクターズアイテムとなっていたが、現在はハロッズの公式ECサイトにて3440ポンド(日本円で約63万6000円)で販売されている。

文字盤には、防水性表示に使用されているグリーンのカラーリングを含め、ストレートな文字が配されている。ハロッズ ブラックベイは、チューダー自社製のノンデイトCOSC認定ムーブメント、Cal.MT-5602を載せ、約70時間のパワーリザーブを確保している。またグリーンのカラーリングに加えて、ハロッズスペシャルエディションには特別なエングレービングが裏蓋に施されている。

このモデルの中古価格が5000ドルから6000ドル(日本円で約75万7000~90万9000円)で推移していると考えると、ハロッズから直接購入できるようになる動きは、グリーンベゼルチューダーを候補に入れていた(あるいは単にウェイティングリストに名前を入れていた)人にとっては、前向きな展開のように思える。

最後に、ハロッズ ブラックベイの在庫状況が変更されたことで、同モデルが製造中止になるかもしれない(あるいはすでに生産終了になっている)という新たなうわさも浮上した。この件についてチューダーにコメントを求めているが、いずれにせよ確証は得られないだろう。とはいえ、2023年に41mm径のブラックベイが変わったことを考慮すると、2017年仕様が段階的に廃止されたとしても不思議ではない。

製造中止になろうとなかろうと、ハロッズ ブラックベイのフォーマットが非常にクールな表現であることに変わりはないし、もうロンドンまで行く必要もないのだ。

パテック フィリップ フィリップ・スターンに敬意を表した30本限定シリーズとなるミニット・リピーター・アラーム 1938Pを発表

フィリップ・スターン(Philippe Stern)氏の85歳の誕生日となるまさにその日に、パテック フィリップはスターン氏お気に入りのコンプリケーションを用いた新しい斬新なバージョンを、ブランド元トップへの感動的なトリビュートとして発表した。フィリップ・スターンの息子でありパテック フィリップ現CEOであるティエリー・スターン(Thierry Stern)氏は、彼の父親の生涯にわたる時計への献身を称えるために、この時計を30本のシリーズとして依頼。フィリップ・スターン氏の生年にちなんで名づけられたRef.1938Pは、アラーム付きのプラチナ製ミニッツリピーターであり、グラン・フーエナメルのダイヤルにはフィリップ・スターン氏の肖像画が描かれている。

このムーブメントは、フィリップ・スターン氏がパテックとともに歩んできた遺産を振り返るタイムカプセルのようなものだ。1989年、パテック フィリップ創業150周年を記念して、フィリップ・スターン氏は自動巻きミニッツリピーター、“Cal.R 27”を発表した。この種のムーブメントとしては初めて、パテックの工房で設計・製作された完全自社製ムーブメントである。スターン氏指導の下、パテックは彼のお気に入りである壮大かつ複雑なミニッツリピーターのラインナップを徐々に拡大し、ついには業界全体で最大の製造数を誇るコレクションとなった。

2014年、パテック フィリップスーパーコピー時計はマニュファクチュール175周年を記念し、手巻きCal.300 GS AL 36-750 QIS FUS IRMを搭載した最も複雑なパテック フィリップの腕時計、グランドマスター・チャイム Ref.5175を発表した。その時計は時刻を知らせるアラームを含む、5つの音響機能を兼ね備えていた。

そして今日、パテックは1938Pにこれらふたつの成果を新しいCal.R AL 27 PSへと組み合わせた。ムーブメントは“R 27”をベースに作られており、ミニッツリピーターとアラームを初めて組み合わせたものである。ムーブメントは自動巻きで(リューズを最初の位置にすると手で巻くこともできる)、約48時間のパワーリザーブを備える。チャイム機能にはふたつのゴングがあり、ミニッツリピーターが作動しているあいだ、またはアラームが作動しているあいだ、いずれかの時刻をチャイムで知らせてくれる。

この時計には4つの新しい特許と、チャイムモードを選択するためのレバーとコラムホイール、および動力源(チャイム用ぜんまい)を一時的にチャイム機構から切り離すチャイム・トリガーを備えたフュゼ機構など、227の追加部品が必要だった。これらの4つの特許は、チャイム・モードの安全な切り替え(リューズのプッシャーでアラームのオン/オフが設定可能)、適切な瞬間までアラームが鳴るタイミングを遅らせ、すべての場合において“時・分・秒”の正しい打刻順序を保証するという内容を対象としている。

ブレゲ式のセンターアラーム(ブレゲ式ローズゴールド針)には、独自の魅力的な機能がある。アラームは、リューズを中央の位置に引き出した状態でセットすると、針が12時間表示のようにダイヤル上の時刻を指し、ローズゴールド・パウダー仕上げの15分単位アラーム時刻スケールを指して、15分単位でセットされる。着用者が最大数のチャイムを聞けるよう、Ref.1938P-001のアラームは常にプログラムされた時刻の2分前に必ず鳴る。そうすることでリピーターのチャイムが短時間だけ鳴るのではなく、その効果が完璧に発揮するようになる。

プラチナケースの直径は41mm、厚さは14.2mm、ラグからラグまでは49.4mmだ。グラン・フーのブラックエナメル文字盤には、フィリップ・スターン氏とブレゲ数字とホワイトゴールド針(加えて前述したRG製アラーム針)を配している。また、開閉可能なオフィサーケースバックの内側と、開いた際に見えるムーブメントにはエングレービングがある。̇裏蓋には“À mon père, 85 ans de passion horlogère(我が父と85年間の時計製作への情熱に捧げる)”と書かれている。この特別な30本は、もちろん価格応相談だ。

技術的な偉業はさておき、この時計が業界全体でどれだけ評判がいいのか、気になる機能がたくさんある。しかし、それは私のためでもなければ、ほかの読者のためでもない。これは息子が父親のためにつくった時計であり、友人たちが楽しむためのものだ。そういう意味だとこれはフィリップ・スターン氏にふさわしいトリビュートである。そして息子の父親への贈り物を、誰が批判するというのだろうか? しかし、グラン・フーエナメル文字盤にフィリップ・スターン氏の顔が描かれていることは、もしこの時計がフィリップ氏とティエリー氏のためだけに作られたものだとしたら、もっと理にかなっていると思う。ムーブメントのローターに刻印されたフィリップ氏のサインとエナメルも同様、何となく“ティファニー”の5711を思い出した。私はブランドのコレクターの多くが、この親子を深く愛していることを知っており、この時計はふたりの友人やビジネスパートナーに提供されると聞いている。

しかし、ブレゲ数字や斬新なムーブメントのような、パテック好きにはたまらないタッチがあるのも事実。30本しか生産されず、しかも2度とこのムーブメントを使った時計はつくられないと約束されているので、いつかオークションで一般市場に出回れば、信じられないほどのコレクターズアイテムになることは間違いない。ただ長く待たなければならないかもしれない。フィリップ・スターン氏の友人たちは、誰もすぐに売りに出すことはないだろう。

基本情報
ブランド: パテック フィリップ(Patek Philippe)
モデル名: ミニット・リピーター・アラーム1938P(Minute Repeater Alarm 1938P)
型番: 1938P-001

直径: 41mm
厚さ: 14.2mm
ラグからラグまで: 49.4mm
ケース素材: プラチナ
文字盤: 18金ゴールドの文字盤プレート、本黒七宝の地にホワイトとグレーの七宝細密画によるフィリップ・スターンの肖像
インデックス: ホワイトゴールドのアプライドブレゲ数字
防水性能: 非防水
ストラップ/ブレスレット: ブリリアントブラックのハンドステッチアリゲーターストラップ

1938p
ムーブメント情報
キャリバー: R AL 27 PS
機能: 時・分・スモールセコンド表示、ふたつの同一のクラシック・ゴングによるミニッツリピーター、および12時間表示によりあらかじめ選択された時刻を音で知らせるアラーム機構を統合
直径: 30mm
厚さ: 8.23mm
パワーリザーブ: 最小43時間、最大48時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 47
追加情報: フィリップ・スターンの署名を再現した黒漆塗りの彫金が施されたロジウムめっき仕上げ、縁が22金YG製の偏心マイクロローター

価格 & 発売時期
価格: 要相談
限定: あり、世界限定30本

フォージドカーボンをデザインに落とし込んだG-SHOCK GCW-B5000UN

G-SHOCKの40周年は、カシオが近年特に力を入れているCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザインの、挑戦に次ぐ挑戦を目の当たりにした非常に刺激的な1年だった。5000シリーズの立体的な造形にサーキットボードパターンを施したGMW-B5000TCCや、ステンレス素材の再結晶化と深層硬化処理を組み合わせたリクリスタライズドシリーズ、その再結晶化ステンレスの上からさらにレインボーIPをかけたMTG-B3000PRB-1AJRに、カーボンとグラスファイバーによるマルチカラーの積層フレームを採用したMTG-B2000YR-1AJRなどなど……、毎月のように繰り出される彩り豊かなリリースの波に翻弄され続けていた気がする。気がつけばもう11月だ。周年の幕引きも見えてきたこのタイミングで、カシオはフィナーレとばかりに、ベゼルパーツとバンドにフォージドカーボンを大胆にあしらったGCW-B5000UNを発表した。

スーパーコピー時計 代引きカラーは、ブラックのGCW-B5000UN-1JRとパープルのGCW-B5000UN-6JRの2種類が用意された。パープルのほうを見てピンときた人も多いかもしれないが、モチーフとしているのは“宇宙”だという。カシオは、進化を続けるG-SHOCKに想像を超えて広がる宇宙空間とを重ね合わせたデザインを与えた。GCW-B5000UN-1JRはブラックとグレーの混色模様で、GCW-B5000UN-6JRはブラックのカーボン繊維にブルーとピンクの着色樹脂、パウダー状のオパールを混ぜ合わせることで揺れ動く銀河の霞と星々を表現した。

マテリアル以外のスペックは、既存モデルと変わらない。20気圧防水とタフソーラーを搭載したネガ液晶を持つデジタルウォッチであり、ワールドタイム、アラーム、フルオートカレンダーなどの基本的な機能に加えてモバイルリンク機能も備えている。サイズは49.1×45mmで、厚さが14.5mm。両カラーとも価格は29万7000円(税込)となっており、11月28日(火)に発売を予定している。

ファースト・インプレッション
高強度と軽量性からモータースポーツや航空機製造の世界で重用されてきたフォージドカーボンは、短い繊維状のカーボン繊維を樹脂に含浸し、高温高圧でプレスすることで成形される。高い製造技術が求められる素材だが、その半面、複雑な形を作りやすいというメリットも持つ。その登場時は、ハイブランドの時計に見られる手が届かない素材というイメージが強かった。しかし最近では、ミドルレンジでもケースの全体や一部にフォージドカーボンを取り入れるブランドが増えつつあり、G-SHOCKでも2021年にフォージドカーボンのバンパーを装備したマッドマスター GWG-2000をリリースしている。

だが、ベゼルのワンパーツだけならともかく、このGCW-B5000UNにおいてカシオは、ブレスのひとコマに至るまで(それこそバンドのディンプルまで正確に再現しながら)フォージドカーボンを仕上げてきた。G-SHOCKのようにマス向けのブランドで、ケースだけではなくすべてにフォージドカーボンを取り入れたブランドはちょっと思いつかない。MR-G(G-SHOCKの最高級ライン)において、細分化したケースパーツそれぞれ、それこそビスひとつにいたるまで硬化処理と研磨を徹底してしまうあの“やりすぎ感”を、僕はこのGCW-B5000UNにも感じてしまった。

実はこの2モデルは、部位によって計3種のカーボンを使い分けている。まずは前述のとおり、ベゼルとブレスにはフォージドカーボンを使用。腕に沿って圧がかかるバックルの中留には、曲げに強い積層カーボン(薄く伸ばした飴細工のように、薄い層が重なっているのが見えるだろうか)を取り入れた。そして、今作ではカーボンファイバー強化樹脂によるカーボンモノコックケースを5000シリーズで初めて採用した。風防に用いたサファイアクリスタル以外、眼に見える箇所はほぼほぼカーボンで仕上げた形だ。結果として、GCW-B5000UNはG-SHOCKらしい堅牢性を維持しつつ、フルステンレスのメタルモデル GMW-B5000Dの167gに対して65gと半分以下の軽さを実現した。これは、直近の樹脂モデルであるDW-5040PG-1JR(リクリスタライズドシリーズ)と比較しても13g軽い。

29万7000円(税込)と、MR-Gのゾーンに踏み込んだ価格には最初少々驚かされた。だが、GCW-B5000UNで使用されたマテリアル、そしてそれを実現するために支払われた手間と技術を考えると、さもありなん、という感じである。

もし自分で購入するとしたら、と考えるとやはりブラックがソリッドでカッコいいと思う。だが、フォージドカーボンを素材とする、といったところからもう一歩踏み込んだデザインを行ったGCW-B5000UN-6JRは見事だ。まだ写真でしか確認できていないが、先日子供と見に行ったプラネタリウムを思い起こさせる、ロマンチックな色彩表現に目を奪われる。初めて見たときには、カーボンの上からお得意のプリントを施したのか? と思ったほど精細だ。昨年12月に行われたブランド40周年のプレスカンファレンスで、伊部菊雄氏は“未来のG-SHOCK”として過酷な宇宙環境に耐えるG-SHOCKの話をしていた。その足がかり……、というわけではないだろうが、40周年の締めくくりとして、この先の展開を思わせる面白いモデルが出てきたと素直にわくわくしてしまった。

基本情報
ブランド: G-SHOCK
型番: GCW-B5000UN-1JR(ブラック)、GCW-B5000UN-6JR(パープル)
直径: 45mm
厚さ: 14.5mm
ケース素材: フォージドカーボン
文字盤色: 黒
夜光: LEDバックライト
防水性能: 20気圧
追加情報: タフソーラー、ストップウォッチ、タイマー、アラーム、リマインダー(モバイルリンク機能)、携帯電話探索(モバイルリンク機能)、自動時刻修正(モバイルリンク機能)、ワールドタイム、UTC時刻表示、ホームタイムの都市入れ替え機能、バッテリー充電警告機能、パワーセービング機能、フルオートカレンダー、12/24時間制表示切替、操作音ON/OFF切替